技大は支援技術の研究が盛んなことが特長
高校生の私は、やりたいことが分からなくて自分の進路を日々日々悩んでいました。慎重に考えた末、自分が生涯打ち込める“なにか”が見つかることを期待できる、将来の就職に役立つであろう工学系の大学に入りました。ちなみに私が入った大学は、聴覚障害者のための大学であり、支援技術の研究が盛んなのが特長だと思います。
大学に入ってみると、いずれはIT系大企業に勤務する! 障害者の役に立つシステムを作る! などといった目標をもって勉強に励む学生が多かったのでその影響を受けたことが大きく、工学系の勉強を精一杯頑張ることができました。私は主にソフトウェア関係の講義を履修して、ほぼ毎日講義の課題に取り組んでいました。工学系はプログラミングを必ず学ぶものなので、かなり論理的思考力が身につきます。
実をいうと、元から自分は将来的な目標を持っていなかったので、工学系の勉強に対して心が折れるときが度々ありました。だから、課題をクリアしたらケーキを食べるとか、フルコマの講義を頑張ったら明日は一日中寝るとか、という小さな目標の積み重ねでやってこれたようなものです。入学して3年間はそんな感じで日々過ごして、まだやりたいことは見つかっていなかったと思います。
自分の聴覚障害経験を生かした研究の道へ
しかし、大学四年生の単位としての卒業研究がきっかけで、長い年月をかけて取り組みたいと思うような“研究テーマ”を見つけました。買い物からの帰路で自転車に乗っていたら、不意に取り組みたい“研究テーマ”が思いついたのです。その頃の私は、プログラミング力がある程度身についていたので、卒業研究の一環でアプリケーション制作にすぐ取りかかることができました。学部で取り組んでいた研究テーマは、自分の聴覚障害経験を生かして、聴覚障害児が楽しんで使えるような環境音学習に関する研究です。現在も、大学院でその研究を続けているところです。
最初は目標がなくても大丈夫!
大学入学時に最初は目標がなくても、下積み時代は根気よく勉強することが安全な方法だと思います。その方法は、いつか将来的な目標があとからやってきてもすぐに行動を移せるのに、役に立つのだと経験者の私が実感しています。生涯にやりたいことを探すために大学に入った私でしたが、その選択は間違っていなかったと言えます!
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目標はあとから見つけても大丈夫!大学に入ったら根気よく勉強するのみです!