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教職課程を学ぶ学生たちへのインタビュー!

本記事では、教員を目指して教職課程を履修している4人の学生にインタビューを実施し、それぞれの学びの背景や、将来の教育への想いについて伺いました。
彼らがなぜ教職を志したのか、教職課程での学びや苦労、そして卒業後にどのような教師になりたいかといった点を深掘りします。未来の教育現場で活躍を目指す学生たちのリアルな声をお届けします。教職に興味がある人や、産業技術学部での学びに関心のある方にとって、貴重なヒントとなる内容です。
ぜひご覧ください!

 

まず、産業技術学部産業情報学科建築学コース3年生(当時)の麻生さんにインタビューをさせていただきました!

麻生 裕稔さん(産業情報学科建築学コース)

① 教職課程を履修した理由はなんですか?

元々、自分で言うのもあれだけど、優しい性格だったからなのか、先生になったらどうと学校ではよく言われていました。高校三年生になると、数学の科目で 1週間に7回以上同じ先生と授業を受けることになって、その先生は「こう解いた方がかっこいいでしょ」と教えてくれて、だんだん内容が難しくなるはずがこの先生のもとで数学の授業を受けることが楽しくなっていました。その時に「こういう先生がいたらみんなも数学好きになってくれるだろうな」、「こう思ってくれる先生ならなってみたいかも」と思い、この大学で教員免許を取ろうと決めたのがきっかけです。

②好きな授業は?

教育方法・技術論(2年生の前期)
この講義では、心理学の視点から見た子どもの脳の発達と、それに応じた教育システムについて学びました。 また、模擬授業もあり、「先生になるための講義だ」と実感しやすい授業 でした。特に、思考の流れや考える力の発達、成長を促す教育の仕組み を学ぶ中で、「自分が学生の頃に先生にそう導かれていたんだ!」と気づくことが多くありました。今まで、自分は自然に成長してきたと思っていましたが、実は学校や先生の働きかけが大きな影響を与えていたのだと改めて実感しました。 この講義を通して、先生という仕事の奥深さや面白さを、より強く感じるようになりました。

③教職課程の履修を活かしてどのような人になりたいですか?

今のところ、まだ教員になると決めたわけではなく、どのような仕事に就きたいかははっきりしていません。しかし、教職課程で学ぶことは、教員だけでなくさまざまな仕事に役立つ大切な学びだと感じています。人の成長を支えるために周りがどのように関わるべきかを学ぶことは、どんな場面でも重要だと思います。 そのため、学ぶことの大切さや、人が成長するための周囲の働きかけを、これからも意識していきたいと考えています。

 
麻生さんは建築のコースで学んでいるのですが、イラストがとても上手で自身のSNSにもアップしていてギダイ生から多くの人気を得ています。昨年度や今年度の学園祭では兄弟の直秀さんと一緒に「あっそうグッズ」を発売し、人気のあまり完売し、もっと欲しかったという声も多くありました。

 

続いて産業技術学部産業情報学科情報科学コース3年生の小山さんにインタビューをさせていただきました!

小山 穂乃花さん(産業情報学科)

① 教職課程を履修した理由はなんですか?

私は、小学生の頃から漠然と「先生になりたい」 という夢を持っていました。 中学校に上がると、ある先生との出会いがありました。その先生は相談しやすく、とても話しやすい存在 で、私にとって憧れの先生になりました。その影響もあり、いつの間にか「教員になりたい」という気持ちが強くなっていきました。 また、私は高校まで一般の学校に通っていましたが、文字通訳やノートテイカーといった情報保障の存在を知らず、支援を受ける機会がありませんでした。 そのため、「どんな支援が必要か」と聞かれても、自分が支援を受けたことがないため分からず、我慢してしまうことがよくありました。
だからこそ、自分が教員になったら、一般の学校に通う聴覚障害の生徒に対して、さまざまな支援方法を提案できる先生になりたいと考えています。

②好きな授業は?

数学科教育方法 1234 の授業です。
この講義では、実際に授業をするだけでなく、生徒の立場になって学ぶこともできます。 他の人に説明を聞くよりも、自分の目で見て学ぶ方が理解しやすく、同級生の良いところをすぐに真似することができます。 まさに「百聞は一見に如かず」ですね。

③教職課程の履修を活かしてどのような人になりたいですか?

「先生」という枠にとらわれず、生徒が気軽に何でも話せるような、親しみやすい存在になりたい。まるで年上の友人や相談しやすいお姉さんのように、生徒が悩みや不安を打ち明けやすい先生を目指したいです。
 
筆者の私からしても小山さんは仕事をたくさん頼まれるイメージを持っています。 実際に大学生活で取り組んでいることとして学園祭の補佐、ダンスサークルの部長、寄宿舎連絡委員会の女子寮長、大学の図書室のバイトなど多岐に渡ってやっていました。 「確かにどれも責任のあるものだけど色々仕事が多くて大変だけれども楽しい! 仕事をすることが楽しい!」と小山さんは笑顔で話していました。

2023年度の学園祭でダンスサークルの披露として踊る小山さん

 

続いて産業技術学部産業情報学科情報科学コース3年生の赤野さんにインタビューをさせていただきました!

赤野 芽さん(産業情報学科)

① 教職課程を履修した理由はなんですか?

私が教員を目指した理由は2つあります。 1つ目は、祖母の影響です。 私は昔からおばあちゃん子で、祖母は20年間教員をしていました。小さい頃から祖母の話を聞いたり、その姿を見たりするうちに、自然と「先生になりたい」と思うようになりました。2つ目は、学校の先生との出会いです。 私はもともと自己肯定感が低く、自信がない性格でしたが、小・中学校で音楽を担当していた先生が、音楽を通して自信を与えてくれました。特に、卒業式のピアノ伴奏を任されたときは、「赤野さんならできる」と背中を押されました。不安でしたが、冬休みの2週間、1日8時間の練習を重ねた結果、ピアノが上達し、苦手意識が自分の強みへと変わりました。 さらに、筑波技術大学を志望するきっかけとなった難聴の先生も、私に安心感を与えてくれました。こうしたさまざまな先生との出会いを通じて、「自分も誰かの支えになれる先生になりたい」 という気持ちが強くなりました。

②好きな授業は?

教育心理学数学科教育方法です。
もともと心理学に興味があり、この授業では心理学と教育の関係を学び、子どもへのアプローチ方法 を考えることができました。授業では話し合いの時間も多く、さまざまな意見を聞くことができたため、とても有意義だと感じました。 数学科教育法の授業 では、担当の先生がフレンドリーで、雑談から徐々に深めていく授業スタイル が自分に合っていました。実は、私は数学が得意ではなく、教えられる自信もなかったのですが、授業の中で即興の模擬授業 に挑戦しました。途中で間違えると終わりというプレッシャーのある中、最後までやり遂げることができ、先生から「最後までできる人はいない」と褒められました。 この経験を通して、数学が苦手だからこそ、どこでつまずくのかが分かり、苦手なりに教えることもできるという自信を持つことができました。

③教職課程の履修を活かしてどのような人になりたいですか?

私はお世話になった人たちに自分が教員になることで恩返しをしたいと考えています。自分が多くの先生に救われたからこそ、今度は私が子供たちの心のありどころになりたい、放課後教室なども開いて皆が笑顔で勉強できる環境を作りたいと考えているそうです。

④ 文泉ボランティアの代表ですが、どのような活動をしていますか?

私は、東京にある葛飾ろう学校で、小学生を対象にものづくり教室を開いています。 活動の中で、一人ひとりの能力が違うため、全員がしっかり取り組めるような企画を考え、材料も工夫しています。現在は聾学校での活動が中心ですが、将来的には聞こえる学校でも子どもたちに教えたい と考えています。聴覚障害の有無にかかわらず、子どもたちの能力や個性はさまざまなので、誰もが楽しめる工夫をすれば、実現できると信じています。 この活動は、教職に活かせるのはもちろんのこと、企画を考える力、リーダーとして先輩や後輩をまとめる力、先生と交渉する力など、多くのスキルを身につける貴重な経験となっています。

文泉ボランティア活動の活動の様子。赤野さんは左から3番目

 

最後に産業技術学部総合デザイン学科支援技術学コース3年生の水野さんにインタビューをさせていただきました!

水野さん(総合デザイン学科)

① 教職課程を履修した理由はなんですか?

一回自分が教える立場に立ってみたかったという気持ちがあったからです。
例えば、生徒に教えるうえで気を付けること、子供たちの心理とはどんな感じなのか知ること、人に分かりやすく伝える技術を学び、身に付けたかったのが一番の理由です。教職課程を取ることで、取らない人に比べると絶対的な大変さはあるかもしれないですが学ぶことの方がきっと多く、本を見て考えるよりも実際に先生という立場を経験できるのが私にとって大きな糧になると考えました。

②好きな授業は?

美術科教育法 2
もともと美術に興味があり、この授業では写真から動画を作る体験や、実際に絵巻を見て学ぶことができました。 また、模擬授業にも挑戦しましたが、「美術を教えるのは簡単」と言われることも多く、それを鵜呑みにしていた部分もありました。 しかし、実際に授業を考える中で、「美術を通して何を学ぶのか」「授業の目的は何か」 を深く考えることがとても難しいと感じました。 この授業を通して、「芸術とは何か」を自分自身で深く考えなければ、教えたり言葉で伝えたりすることも難しいということを実感しました。

③教職課程の履修を活かしてどのような人になりたいですか?

私は、学校の先生に限らず、いつでもどこでも教えたいことを教えられる、かっこいい人になりたいです! 学校で学んだことを子どもたちに教えるのはもちろんですが、それだけでなく、宇宙や政治など、さまざまなことを教えられる先生になりたいと考えています。さらに、ろうの子どもたちを対象とした塾を開き、聞こえないことをポジティブに考えながら、のびのびと成長できる場を作りたい という夢も持っています。

水野さんは、学校の外でも積極的に地域とのつながりを深めています。つくば市で友人とテコンドーをしたり、赤野さんと一緒に文泉ボランティアに参加したり、筑波大学の学生と合気道を学んだり、地域のアトリエ教室に通ったりと、学内だけにとどまらず多方面で活動しています。 「講義だけでは学べないことを、自分から環境を変えて体験することで自己肯定感を高め、成長したい。一度しかない人生を豊かにしたい!」と、いきいきと話していました。

つくば市のテコンドー道場で活動している水野さん
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