見えていても見えなくても楽しめる!インクルーシブゲームの紹介を担当
在学生  

見えていても見えなくても楽しめる!インクルーシブゲームの紹介を担当

11月2日(日)・3日(月)の晴天に恵まれた連休。JR浜松町からアクセスの良い東京ポートシティの1階ホールは、感覚の多様性をテーマにした展示イベント「みんなの脳世界2025 ~超多様~」で熱気に包まれていました。ここでの体験をご紹介したいと思います。

 

77ブースが集結!多様な体験が広がる会場で本学も出展

大学や研究機関が出展する77のブースが並び、子どもから大人までが笑顔で体験を楽しむ姿。ICTを駆使した体験型のシステムや福祉機器が並ぶ中で、本学保健科学部情報システム学科の教員・学生による「見えていても見えなくても楽しめる!インクルーシブゲーム体験」ブースを出展しました。

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みんなの脳世界2025 会場の様子

担当者はこちらのメンバーです。

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4人の集合写真

情報システム学科 松尾政輝助教
情報システム学科2年 酒寄寛也さん、高橋航歩さん、生田結良さん
この他、障害者高等教育研究支援センターから磯田のほか、中島亜紀子講師・岡田雄佑特任研究員も参加し、大学紹介を担当しました。

 

“見えない”からこそ広がるゲームの世界

ブースでご紹介したのは、視覚以外の感覚でも遊べるゲームです。
情報システム学科の学生4名(生田 結良さん、酒寄 寛也さん、久米 二葉さん、原 羽優真さん)が開発した「音や触覚を活用して遊べるオリジナルゲーム」、ボードゲーム「アニマルダイヤモンド」、そして市販の対戦型ビデオゲームを全盲の学生と一緒にプレイする体験もありました。

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ボードゲームの説明をする松尾講師と、ゲームに触れているお子さんの様子

特に印象的だったのは、全盲の酒寄さんが音だけを頼りに市販のビデオゲームをプレイする姿。「どうやって相手キャラの位置を把握しているの?」「特別な機能を追加しているの?」との質問が飛び交いました。市販ゲームに慣れている子どもたちも続々と来てくれてました。酒寄さんとのコミュニケーションにあたり、「目が見えないからお返事は声でしてね」と声をかけると、それまで声かけに頷くだけだったお子さんも「うん」「できる」など声でのリアクションをしてくれる様子も見られました。そしてプレイを終えると、「え?なんで分かるの?」と自然と湧き上がる疑問も素直にぶつけてくれていました。ゲームを通じて“見えない世界”への理解が広がっていく瞬間でした。

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体験中のブースの様子

学生たちの挑戦と学び

今回の展示は、単なる紹介にとどまりませんでした。会場にはダイバーシティ&インクルージョンに関する研究・開発・普及に取り組む77のブースが並び、出展者同士の情報交換も自然と行われていました。学生たちは、研究者からの質問に堂々と答えながら、「視覚に頼らないゲーム開発」に向けたヒントを数多く得ることができました。
ブースには2日間で220名を超える来場者が訪れ、学生たちは説明や体験サポートを通じて、説明の質を高めていきました。会話の中で自身の障害の状況を自然に伝えたり、相手の関心に合わせて話題を展開したり、開発したゲームに込めたアクセシビリティの工夫を紹介したり。時には飽きてしまったお子さんと楽しく会話をし、時には英語での質問にも対応するなど、授業では得られない貴重な機会となりました。

 
学生からのコメントもご紹介します。

高橋航歩さん:今回のイベントで、私は主にどうやったら音だけを使って格闘ゲームをプレイできるのか、について説明しました。中には幼稚園児や小学生といった年齢層が低い方もいました。ゲームというエンタメが強すぎるあまり、視覚障害者がどうやってゲームをするのかといったことを考えたことがこれまでなかった様子でした。 小さな子供にも頑張って理解してもらえるような説明がとても大変でしたが、若年層にも視覚障害者とゲームのつながりを少しでも考えていただける機会になったのかなと思います。
とても貴重な経験をさせていただきありがとうございました。

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他の出展者が訪れ、対戦型ビデオゲームを一緒にプレイする高橋さん
 

生田結良さん:今回のイベントで、私は主に学生が作ったゲーム作品の説明を担当しました。ゲーム内容の特徴や視覚障害者がプレイしやすいようにどのような工夫がなされているのかを説明しました。 ほかにも、見えない・見えづらい状況で、画面に表示されている内容を知るために何を頼りにしているのか、普段からどのようにスマートフォンやパソコンを操作しているのかなどの質問に答えました。 実際に体験をしてもらった際に、感想や改良点についても話すことができました。相手に理解してもらいやすい伝え方を考える良い機会になりました。
また、他の展示も見て回ることができ、色々な研究についても知れたので、とても良い経験になりました。

 

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ゲーム作品の説明をする生田さん
 

これからに向けて

イベントを終えた今、学生たちは次のステップを見据えています。ゲームの改良、より多様なユーザーに向けた開発、そして伝えやすい紹介方法の検討。天久保キャンパスの学生と協力しながら、さらに発展させる時間を作りたいと考えています。 今回、主催者側も視覚障害者のアクセシビリティを踏まえ、本学のブースの場所を慎重に検討してくださったそうです。結果的に、広い会場内の壁沿い・出入り口に近い角のスペースを使用できました。当事者が参加することで、アクセシビリティへの意識が確実に高まっていくことを実感しました。
「みんなの脳世界2025」が掲げるニューロダイバーシティ社会の実現。その一端を担うインクルーシブゲームの挑戦は、まだ始まったばかりです。

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参加者との意見交換をする学生の様子