「理学療法学専攻の国家試験結果が、好調な理由」を紹介します!
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「理学療法学専攻の国家試験結果が、好調な理由」を紹介します!

今年度もいよいよ理学療法士国家試験の日程が迫って参りました。昨年度の第55回理学療法士国家試験では、本学理学療法学専攻の令和元年度卒業生8名、全員無事に合格することができました(表1)。また、卒業生全員が卒業までに希望した就職先から内定を得ました。学内での授業・学外での臨床実習・卒業試験や国家試験対策など、次々に乗り越えなければいけない障壁を着実にクリアした結果であり、一人ひとりの努力が実りました。今後は新社会人としての益々の活躍が期待されます。理学療法学専攻では、ここ数年来、現役生の理学療法士国家試験合格率は100%を達成しています。今回は、その好調な理由をお話ししてみたいと思います。

表1 理学療法士国家試験合格状況一覧

年度
本学 全国
受験者数
(名)
合格者数
(名)
合格率
(%)
受験者数
(名)
合格者数
(名)
合格率
(%)
令和元年度 8 8 100.0 12,283 10,608 86.4
平成30年度 9 9 100.0 12,605 10,809 85.8
平成29年度 8 7 87.5 11,033 9,679 87.7
平成28年度 6 6 100.0 13,719 12,388 90.3
平成27年度 7 7 100.0 12,515 9,272 74.1
平成26年度 5 5 100.0 12,035 9,952 82.7

(← 表は左右にスクロールできます →)
 
理由1 それぞれに応じた少人数教育を実施します。

理由1  それぞれに応じた少人数教育を実施します。

本専攻入学生は、特別支援学校出身者のみならず、地域の一般高校、他大学卒など様々なバックグラウンドを持つ学生が入学しています。よって、学力もさまざまなので、クラス担任以外にもAA(アカデミックアドバイザー)が一人ずつ配置され、きめ細かく学習や生活指導を行っています。

また、コロナ禍で臨床実習を中止せざるを得ない養成校も多い中、本学は保健科学部附属東西統合医療センター リハビリテーション科をはじめ、近隣の病院のご厚意により、筑波大学附属病院、筑波記念病院、水戸赤十字病院、筑波メディカルセンター病院などにおいて、臨床実習を実施できました。これらのことも国家試験においては、臨床に即した問題を解けることにつながり、実践力を養えることで順調な就職率につながったものと思われます。

理由1 それぞれに応じた少人数教育を実施します。
図書館自習コーナーでの国家試験対策の自主学習の様子
理由1 それぞれに応じた少人数教育を実施します。
学外病院での臨床実習の様子


 

理由2  視覚障害補償を充実させています。

理由2 視覚障害補償を充実させています。
学内実習授業において触診で身体の動きを学修する様子

本専攻入学生に対して、「MNリード」(自身の見え方の評価)を早期に実施し、個々の見え方に応じて授業資料の文字の大きさ(ポイント数)の調整や点訳を行うとともに、ルーペや障害補償機器等の紹介および貸し出しを行っています。

また、医学書のテキストデータをタブレットに取り込んで音声や拡大文字で読めるようにする等、本学障害者高等教育研究支援センターと連携して障害補償を行ない、各種実習器具も障害特性に応じた機器を紹介しているため、障害の軽重に関わらず、しっかり学習に取り組むことができます。

また、国家試験対策においても学内模試・全国模試を実施しておりますが、その際のマークシート転記は専攻内全教職員が分担・協力して障害補償を行います。これらのサポートも国家試験結果の好調につながったものと思われます。


理由3  新入生歓迎会や懇親会もあり、先輩や同級生と親交を深められます。

例年、教員も参加しての新入生歓迎会や懇親会を実施し、生活に不慣れな新入生も上級生や教員から励ましや助言をもらったり、同級生同士で情報交換を行ったり、縦と横のつながりを大切に育んでいます。

このコロナ禍の状況でも、2年生が主催となってオンラインで開催し、新入生との一体感を経験できました。また,卒業生を講師に招き、障害を持ちながらも理学療法士を志望した動機、学ぶことの楽しさ、進路や就職など転機に臨んで考えたことなど、学生の目線に立った講師の話を通して、学業への目的意識の更なる啓発や就職活動への動機付け、職業観の醸成ができるよう、卒業生講演会も毎年実施しています。これらのことも国家試験・就職率の好調さにつながったものと考えられます。

 

理由4  長い時間をかけて国家試験に向けた準備を徹底しています。

2年次から国家試験対策の授業を開講しており、比較的早い時期から国家試験を意識した学習を開始できるように配慮しています。また、4年次の10月に臨床実習が終わってから国家試験に向けた勉強に集中できるカリキュラムになっており、この時期からは週に一度の模擬試験受験、解説授業の受講、試験の結果から苦手分野を抽出して、苦手分野の改善に取り組むといったサイクルを繰り返すことで、着実に力をつけられる授業構成になっています(図1)。苦手分野の改善に関しては、該当分野を専門としている教員の補講授業を実施しており、そちらを受けることにより効率良く改善することができます。

近年の新たな取り組みとして、国家試験に関連する参考資料をグループウェアを用いて共有しており、解説授業動画を自由に何度でも確認して復習ができる環境を作っています。また、学生一人あたりに対する教員の数も国内の大学の中で最も多いことから、教員から手厚いサポートを受けることができ(図2)、遠隔授業においても状況に応じて個別の理解度に応じた対応も可能であるなど、きめ細やかな対策により学生の学力が伸びやすい環境となっています。

図2.オンライン動画による模試の解説の様子
図2.オンライン動画による模試の解説の様子
図1.国家試験対策の学習サイクル
図1.国家試験対策の学習サイクル

 

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