Q.本学を選んだ理由は?
オープンキャンパスに参加し、情報保障がしっかりしていると思いました。高校までずっとろう学校だったので、その点は大学選択にあたって1番の理由でした。
また、絵を描くことが好きで、デザイン関係だったら自分に合っていると思い、本学の総合デザイン学科に入学しました。入学後、絵を描くこととデザインとは違うことが分かりましたが、デザインにはデザインの面白さがあります。逆に絵を描くことを仕事に結びつけるよりも、デザインに関わる仕事の方が応用?しやすいのではないかと今は考えています。
Q.講義や演習における情報保障はどうですか?
先生方の多くは手話を使ってくれます。非常勤の先生など、手話の使えない先生もいますが、そうした授業では、リアルタイム字幕システムが導入されています。
こちらからお願いしなくても、当たり前の環境として始めから準備されているのが他大学との違いではないかと思います。
……正直に言えば、先生による差はあります(笑)。でも、手話の使えない先生も、「伝えよう」としてくれるし、通訳者やノートテイカーを介さずに直接先生とやりとりできるので、聞きたいことや学びたい情報を得やすい環境だと思います。
また、聴覚障害学生に対する授業手法を研究している先生もいらっしゃって、開発したソフトやシステムを授業で使ってくれます。学生の意見を取り入れて改良してくれたりもします。
Q.本学の良いところはどんなところですか?
1つ前の質問の情報保障はあると思います。でも一番良いところは、少人数教育という所だと思います。先生に聞きたいことを遠慮せずに聞きやすい環境は良い所だと思います。
また、少人数教育でありつつ、大学全体としては200人近くの聴覚障害の学生が全国から集まっています。
私は高校までずっとろう学校で、高校では県全体から学生が集まっていたので、1学年20人ぐらい、聾学校としては大きい方だったと思います。でも本学では1学年50人、同じ専攻だけでも15人いて、専門的なことや将来のことなどを話せる友人もいます。私にとっては、何でも話せる友人がいるというのが1番大きいです。
それと、就職活動関係の支援が手厚いこともあると思います。私は現在3年生で、まだ積極的に就職活動していませんが、既に大学主催の就職支援関係の行事が始まっています。これからインターンシップなども予定されています。就職活動と一言に言っても、最初は何をしてよいか良く分かりません。大学主催の支援があるので、自然に情報や機会を得ることができるのも助かっています。
Q.健康スポーツ関係の授業で楽しかった種目はありますか?
私は以前から水泳が好きだったので、2年生の時に、春日キャンパスのプールで泳げたことはとても楽しく感じました。実際には、泳ぐことよりも、アクアエクササイズでしたが、楽しくできました。
また、1年生の時のバドミントンの授業も、色々な人と試合をすることができたし、相手によって打ち返してくるところが違うので、とても楽しくできました。
Q.高校の体育との違い(人数、情報保障)はありますか?
健康スポーツ科目の授業では、1クラス15~20人、先生も手話を使ってくれるので、これまでのろう学校高等部時代と変わらない環境で体育の授業を受けることができるので、非常にやりやすかったと思います。
また、少人数で行なわれるので、その分チーム戦では、待って休む時間が短く、たくさん身体を動かすことができると思います。身体を動かすことが好きな人には楽しいと思います。
Q.ろう学校に通う高校生に一言お願いします。
筑波技術大学は情報保障が充実していて、ろう学校に通っている人にとっては過ごしやすい環境になっていると思います。まだ将来のビジョンがはっきりしなくて迷っている人もいると思います。私もそうでした。大学に入ってから考えても遅くはないので焦らずにゆっくり考えてみてください。友達も沢山作れると思います。応援しています!