本学では高大連携プロジェクトの一環として、レーシングチームKCMGとスポンサーシップ契約を結んでおり、技術協力や様々な交流活動を行っています。活動範囲は学内だけにとどまらず、東京高専電子工学科の社会実装プロジェクトや卒業研究(データロガー、シミュレータ)にも課題を提供しています。
昨年度(2019年度)までの活動の様子は、こちらのページをご覧ください。
「技大ではフォーミュラカーによる学生交流を行っています!」
全日本スーパーフォーミュラ選手権の開幕戦を観戦!
今年度は、課外活動として本学で機械工学を学んでいる学生2人(土橋さんと根本さん、ともに機械工学領域3年生)と「ツインリンクもてぎサーキット」でレース観戦を行いました。本来は4月3日~4月4日の富士ラウンドで開幕予定だった全日本スーパーフォーミュラ選手権は、コロナの影響で大幅に日程が変更され、もてぎラウンド(2020年8月29日~8月30日開催)が開幕戦となりました。
写真1と写真2は、「スーパーフォーミュラシリーズもてぎラウンド」でサーキットを走行するレーシングカー(SF19)です。昨シーズンまでは小林可夢偉選手だけの1台体制でしたが、今シーズンから国本雄資選手が加わり、KCMGはマシン2台体制となりました。
決勝レースでは、学生2人とも筑波技術大学がスポンサー契約しているKCMGの2台の熱い走りを見守っていました。人と人の距離(ソーシャルディスタンス)が十分とれる環境であったため、屋外ではマスクをはずして観戦することができました(写真3)。
Zoomを使いオンラインでもレースの臨場感を共有!
今年は新たな試みとして、オンライン授業で活用しているZoomの実証実験を行いました(写真4)。学生2人にZoomで参加してもらった結果、オンラインでレースの臨場感を共有できることが確認できました。オンライン授業をやってなければ考えつかないアイデアでしたが、現場に人と機材(デジタルビデオカメラ、ノートPC、モバイルルータ)さえあればZoomで課外活動に参加できることがわかりました。現実的にはレースをライブ中継するためには著作権などの問題もありますが、通信環境は整っていることが実証できました。
写真5はフォーミュラカーのスピードを目の前で体感できる観戦場所です。トンネルを抜けて200km/h以上のスピードで目の前に現れるマシンは一瞬で視界から消え去っていきます。
ホンダのクルマづくりの歴史に触れる
ホンダコレクションホールでホンダのクルマづくりの歴史を学びました。車だけでなく、ASIMO(2足歩行のヒト型ロボット)開発の歴史も、試験機とともに丁寧に展示されていて興味深く見学しました。館内は混んではいませんでしたが、屋内施設であるためしっかりマスクを着用しました。
土橋さんの感想
私はスーパーフォーミュラカーを見ることが初めての体験で、レーシングカーといえばミニ四駆しかイメージはなかったため、実際に見ることが出来て記憶に残りました。フォーミュラカーには最先端技術が詰められており、速く走るために無駄が省かれています。そのための研究開発に莫大な資金を与えられ、技術革新が進んでいます。この研究はオートモーティブ分野で活かすことが出来るので意味のある研究とはこういうことだなぁと改めて実感しました。私自身も将来的には意味のある研究開発で社会貢献したいと思えたイベントでした。 ツインリンクもてぎにはサーキット以外にも「メガジップライン」というものがあり、それはツインリンクもてぎの空を空中散歩するというものです。しかし、私は重量オーバーで乗ることが出来なかったのが非常に残念でした。
根本さんの感想
初めてサーキットでフォーミュラカーを見学しました。私たちは気温40度という猛暑の中、可夢偉選手を応援しました。可夢偉選手が乗っているフォーミュラカーに筑波技術大学のロゴがついているところを実際に自分の目で見て感動しました。可夢偉選手が優勝できなかったことは残念でしたが、レースを観戦することが出来て十分に楽しめました。 コロナの影響で一般的には野外でもマスク着用が推奨されていますが、サーキットは広大であるため十分にソーシャルディスタンスを保つことが出来て安心しました。コロナの影響で例年のようにピット内での見学ができなかったことは残念でしたが、来年は近くで見たいと思いました。
ウィズコロナでのイベント実施(スーパーフォーミュラの感染予防対策)
写真7は決勝レースに向けてメカニックがアイドリングをしている様子です。本学ロゴ(筑波技術大学)は、コクピット脇のサイドミラーの下側の左右両方×2台で合計4枚貼られています(写真8)。
第一戦(開幕戦もてぎラウンド)とは状況が異なり、事前登録のチームスタッフとして参加したため、昨年までのレースと同様ピット内に入ることができましたが、人数制限により残念ながら学生を連れて行くことはできませんでした。ピット内に入るためにレース当日の2週間前から所定の管理シートで体温をはじめとした体調情報などを毎日報告が義務付けられました。そして感染防止のためピットを含むパドックエリアからのみ移動OKでした。
写真9は、スターティンググリッド(コース上)で決勝レース直前の様子です。写真の奥に見える一般観客席エリアと手前(コース、ピット及びパドックエリア)は完全に隔離されていました。例年のレースでは、スタート前にスターティンググリッドに並んだマシンを見学することができるため、コース上も人(エンジニアやメカニック、チームスタッフ、プレス、観客)で溢れますが、密な状況を避けるために入場者数が制限されたため十分なソーシャルディスタンスが確保されていました。
開幕戦(もてぎラウンド)から最終戦(富士ラウンド)にかけて、ウィズコロナのレース運営が少しずつ変化しました。他の大規模スポーツイベント同様に大会運営者が手探り状態で作リ上げた形だと思います。コロナ感染拡大防止のためには3密を避けることはもちろん、一人ひとりが「感染しない、感染させない」という強い自覚と責任を持ちながら行動することが重要であることを再確認しました。
(文責:広報室委員 下笠賢二)