アフターコロナでの課外活動(スーパーフォーミュラレース観戦)
イベント情報  

アフターコロナでの課外活動(スーパーフォーミュラレース観戦)

本学では高大連携プロジェクトの一環として、国内の自動車レースの最高峰であるスーパーフォーミュラ選手権シリーズに参加しているレーシングチームKCMGとスポンサーシップ契約を結んでおり、技術協力や様々な交流活動を行っています。活動範囲は学内だけにとどまらず、東京高専電子工学科の社会実装プロジェクトや卒業研究(データロガー、シミュレータ)にも課題を提供しています。過去の活動の様子は、こちらのページをご覧ください。

「技大ではフォーミュラカーによる学生交流を行っています!(記事リンク)」

「ウィズコロナでの課外活動(スーパーフォーミュラレース観戦!)(記事リンク)」

今年度は課外活動として、本学で機械工学を学んでいる機械工学領域4年生の山田さんと「モビリティリゾートもてぎサーキット」でレース観戦を行いました。2023年4月8日~4月9日に富士スピードウェイで開催されたレースで開幕した全9戦のスーパーフォーミュラ選手権は、もてぎラウンド(2023年8月19日~8月20日開催)が第7戦となりました。

写真1と写真2は、「スーパーフォーミュラシリーズもてぎラウンド」でサーキットを走行するレーシングカー(SF23)です。写真1は小林可夢偉選手が走行している様子です。

写真1.小林可夢偉選手が操縦しているレーシングカー(カーナンバー7)

決勝レースでは、学生と共に筑波技術大学がスポンサー契約しているKCMGの2台の熱い走りを見守っていました。前回のウィズコロナ観戦の時は、チーム関係者としてピットに入るためには、レース開催の2週間前から毎日体温などの体調を報告する義務があり、ピット内ではマスク着用が必要でしたが、今回は基本的にマスクをはずして観戦することができました。写真2はフォーミュラカーのスピードを目の前で体感できる絶好の観戦場所です。トンネルを抜けて200km/h以上のスピードで目の前に現れるマシンは一瞬で視界から消え去っていきます。写真3は、決勝レーススタート直前にコース上のスターティンググリッドでの国本雄資選手のマシンです。指差しの先にある本学ロゴ(筑波技術大学)は、コクピット脇のサイドミラーの下側に左右両方×2台で合計4枚が貼られています。

写真2.目の前を200km/h以上でフォーミュラカーが駆け抜ける様子
写真3.指差しの先にある筑波技術大学のロゴ


レース観戦の合間にホンダコレクションホールでホンダのクルマづくりの歴史を学びました。ホンダが創業以来作ってきたたくさんの車やバイクが展示してあり、自動車(4輪車、2輪車)は基幹産業として日本の高度経済成長を支えてきたことが実感できます。世界最高峰のレーシングカーであるF1マシンはその当時の最先端技術を駆使して製作されており、普段目にすることがないようなCFRPやチタン合金などの材料やエンジン、シャーシなどの構造をじっくりと観察することができます。写真5は山田さんが過去のF1マシンを興味深く観察している様子です。また、写真6は決勝レース後にピット裏で入賞した国本選手(写真中央)と記念撮影をした様子です。

写真4.ホンダコレクションホールでの記念写真
写真5.展示されている過去のF1マシンを観察している様子
写真6.決勝レース後に入賞した国本選手(写真中央)と記念撮影


山田さんの感想

8月19日、20日のスーパーフォーミュラシリーズRd.7 もてぎサーキットにてレースを観戦してきました。個人的には2007年スーパーGTの鈴鹿サーキットが最後で16年ぶりのサーキットです。スーパーフォーミュラのレースをサーキットで見るのは初めてでした。フォーミュラカーのコーナーでの速さに驚きました。もちろん直線でも速いのですが、コーナーへの進入速度、その後の立ち上がりも速いのが印象的でした。またYouTubeを見てわかったのですが、タイヤ交換でピットインの際に自動ジャッキが取り入れられてF1とはまた違った面白さがあると感じました。それぞれのチームでジャッキに違いがあり工夫されているところも面白いです。自分が子供の頃はレーシングカーのエンジン音を聞いた際にはうるさいと感じていましたが、大人になった今、久々にレーシングカーの音を聴くとうるさいとは思わずいい音だと感じようになりました。シフトダウンによって変わるエンジン音やターボの高音が映像で見るよりも迫力があり、現地観戦はピットの雰囲気やマシンの音などが明確に肌で感じられるので楽しかったです。特に今回は実際にピットの中に入らせて頂き、普段見れないマシンのエンジンやチームスタッフとドライバーの話し合いも見ることができました。今回のレースは見ごたえがあり、とても面白いレースでした。
これを機にスーパーフォーミュラを好きになり、応援できるチームが見つけられたのが嬉しいです。よりスーパーフォーミュラのルールやマシンのメカニズムを理解し、今後更に楽しく観戦できるようにしたいです。また、レースを映像で視るのと生で観るのはまったく違うので、クルマに興味がある人は是非一度サーキットに観戦に行ってみて下さい。

写真7.ピット裏で共同研究の報告を行っている様子

写真7は、チームスタッフ(チーフエンジニア、チーフメカニック他)に対して、共同研究の成果を報告している様子です。今年度は「タイヤ交換時のメカニックの動作解析と筋骨格シミュレーション」というテーマで、8月5日に本学で行われたオープンキャンパスの際に測定したデータを解析した結果を見ながら今後の課題について意見交換を行いました。
2020年~2022年のウィズコロナの3年間は様々な行動制限がありました。コロナ以前なら普通にやっていたことができない中で、関係者一人ひとりが「感染しない、感染させない」という強い自覚と責任を持ちながら行動することが求められました。アフターコロナの現在は、以前のようにフォーミュラカーのデザインや構造などの最先端技術を目の前で観察することができ、機械工学を学ぶ学生にとって有意義な体験となることを再認識しました。

(文責:下笠賢二)